こんにちは
株式会社AZSTOKE 中島、武田です。
今回のSKYSQUAREの道-011-では林業講習の2日目について学んだ内容をレポートとしてまとめ皆さんにお伝えいたします。
これまでのSKYSQUAREの道の記事一覧はこちら
■目次
■2日目 林業体験[座学]:素材生産/搬出と集材
2日目も座学から開始しました。
1日目と引き続き担当してくれたのは株式会社TreeLumberの清水さんです。
座学の内容ですが、伐木したものをどのように搬出しているかを歴史から現在の技術について学びます。
日本では、傾斜地での木々の伐採が多いため、伐木を一番上の標高から行い、伐木した木をしたに向けて並べて、滑らせるように落として木を運搬できる位置まで落とす方法や、川を使って流すような形で木を運搬するなどの方法もあった様子です。
ただこれら方法では木を痛める結果や人への災害として多く問題が起きたことで無くなっていった技術です。
現在は、ワイヤーで引っ張るなどで回収する方法が一般的で今回は、その中のロープウインチを使ったものを実際に体験させてもらえることになりました。
多くの木をまとめて対処する場合は専用のヘリコプターで釣り上げる形で運搬するみたいですがヘリコプターを1日レンタルするだけで100万近くの経費が!!!
十分な計画をして、少しでも多くの木を運搬するための熟練の技術と作業スピードが必要な様子です。
我々のような個人でやるようなスタイルだとロープウインチなどを利用して木を指定の場所まで搬出する形が一般的な様子で、実際に林業されている方もこの方法は良く使うようです。
座学の内容はこれらの搬出方法のパターンの紹介や、今のスタイルになった理由など詳しく理解することができました。
座学より実践ということで早々に座学を終わらせて、昼までの間に薪の制作場所を見学させてもらいました。
薪の置き場所として作られていたのが単管パイプの薪場所です。
雨で山に入れないなどの時は良くここで薪割りを行っているらしく、雨がしっかり防げるように大き目に作られていてかなりいいなーと思いました。
これは真似したいのでしっかり写真とってメモメモ~
薪割りの方法としては油圧式の薪割り機を利用されているみたいで、TreeLumberさんは軽トラ1台分の薪をふるさと納税でやるという事業もしていると、数がかなり多いのでまき割りも機械でやらないと全く終わらないとのこと。
油圧式の薪割り機を調べたところ20万近くかかるみたいです。
SKYSQUAREも木がかなりあるので薪として利用したいところですが、今後の課題として一旦斧で代用してとりあえず対処しますが、たぶん必要になるんだろうなと思いつつ手動のまき割り機にするとかも検討して考えていきます。
■2日目 林業体験[実践]:広葉樹の伐木
2日目は広葉樹の伐木を実践します。
1日目とは違う場所を目指します。
車で山登り、地元の業者専用の道路を通って登ってきました。
すでに結構高い位置に移動し、ここからさらに登っていきます。
伐採が可能な土地はGPSで判断して位置を特定して、伐採を行う様子です。
当たり前ですが好きに伐採していいわけではありません。
ここからは伐木機材を持ちながらの登山です。
本来は荷物を車であがる想定でしたがなんとここで車の故障で上に上がることができなくなってしまいました・・・
車の故障を連絡するにも上まで車で来てしまった後だと携帯の電波が届きません。
無線機を利用して近くにいる猟師の方に連絡を取って助けを求めました。
無線機はこういう土地には必須だなっとここで思いました。
あとやっぱり地元の業者の方々だからなのかみんな知り合いみたいで和気あいあいとしてました。
猟師の方が下山されてちょうど話も聞けてそれはそれでよかったです。
鹿を1頭仕留められたみたいで、どういう流れなのかも聞けました。
結果としては、すぐに解決できそうにないということで、最低限の機材を持って登山することになりました。
■伐木予定地へ登山
予定地へと移動するために登山です⛰
周りは絶壁なのでこのような林道を作りながら進んでいるんだと思うとプロはすごいなと感じました。
これは体力がつきますね。
今土地の道を整備したりしているのでこれらも勉強になります。
木が立っている場所はこのように断崖絶壁がほとんどらしく機械が侵入できない場所というのがよくわかります。
海外のようにかなりでかい機械を入れて大規模に伐採するというのが日本では難しい原因が肌で感じました。
そして現地に到着です。
伐木の作業を開始するため準備を行います。
■作業工程は1日目とほとんど同じ
以下の伐木手順1~11に関しては以下のリンクをご確認ください。
■重要ポイント
前回と違うポイントは切り方に大きい違いがあります。
針葉樹と広葉樹の違いでもっとも大きいポイントは堅さになります。
広葉樹は、かなり硬く、チェーンソーであったとしても切れ方に大きく違いがでます。
堅いポイントとして木の皮です。
通常の追い口切りで行った場合、皮はついているままのため、その皮が針葉樹よりかなり強いのでその結果、想定より違う方向に倒れる可能性が高くなります。
伐木手順12:チェーンソーで追いずる切り(受け口)
接続が終了したらチェーンソーで切っていきます。
広葉樹は堅いのでおいずる切りが一般的な様子です。
まずは45度を目標として開口部の受け口をいれていきます。
ここは追い口切りと同様になります。
ここで注意点があります。
最初から45度を目指すように切ってしまうと思った以上に切れてしまい方向や倒れ方に問題が生じる可能性があります。
そのため、切る際はまずは20度で切って角度と方向が間違ってないかを見ながら調整するように最終的に45度の角度で受け口ができるように切っていきます。
伐木手順13:チェーンソー皮を切る
通常の追いずる切りには説明がないもので左右の木の皮を切っておくということをする様子です。座学でも説明があった広葉樹の木の皮は、針葉樹と比べて硬く、木の皮が原因で裂きあがるという現象で皮が原因で伐木した際の切り口から上に皮があがってしまい、木としての値打ちを損なってしまう現象が起きます。
それをできる限り防ぐために事前に左右の皮を切って裂きあがるのを防ぐ必要があります。
ここはやっぱり現場の知恵から生まれてることで追いずる切りの工程にはこのフローはなく
やってみて理解できることに感じました。
伐木手順14:チェーンソーで追いずる切り(突っ込み切り)
受け口が切り終えたら、次に突っ込み切りです。
チェーンソーの先端を利用して木の真ん中にいれていきます。
受け口のつるは残した状態にする必要がありますのでここは注意して水平にいれていきます。
突っ込むことでつるが前ズルと後ろズルと2か所できるため
追い口切りのように1か所のズルより安定します。
伐木手順15:チェーンソーで追いずる切り(後ろズル)
そして最後に後ろのズルを上から切断します。
ここが斜めに入っているのが重要ポイントです。
通常の追い口切りではまっすぐいれるのと比べるとより安全に受け口側に入っているのがわかります。
そうすることで逆側へ倒れる状況をさらに防ぐことが可能になります。
伐木手順16:チルホールの巻き取りを少しずつ開始
巻き取りを開始します。
こちらも少しずつ様子をみつつ引っ張ります。
十分な安全を確保してチルホールを動かします。
追いずる切りのみでも倒せますが、チルホールを使って徐々に目的の場所にひっぱるという動作が安全に倒す秘訣になります。
危険なので十分安全を確保して倒していきます。
伐木手順17:倒木
なんとか無事に伐木が成功しました。
状況に合わせた適格な判断のもと行います。
■搬出作業
木が倒れている状況のままだと車で運搬するためにも積みにくい状況にあります。
積みやすくするためにも一か所にまとめるなどが必要になります。
そこで人が持てる範囲で機械による作業として使われるロープウインチを実践します。
搬出手順1:滑車を設置
木を集める先にある木に滑車を設置します。
これにより滑車の方向に木が移動します。
そのため、集めたい先に滑車を設置するイメージで滑車の位置を決めます。
搬出手順2:ロープウインチを設置
次に滑車の先にロープウインチを設置します。
滑車から角度が開きすぎないようにすることを考慮して木を選定して設置します。
搬出手順3:ロープを設置
ロープを搬出したい木に設置します。
引っ張るので木の先につけるような形で設置します。
ここでもベルトスリングで接続してそれをフックにつける方法で接続していきます。
搬出手順4:エンジン始動して木をひっぱる
ロープウインチのエンジンを始動してロープをひっぱります。
ロープを設置位置にまくような形で4回ほど回します。
この回す回数が多いほど力が強くなるようで、人の引っ張る力がそこまで力なく引っ張れるぐらいが適量の回数らしいです。
なので状況に合わせて、ロープを巻く回数を変えます。
これを繰り返すことで木を指定の位置に集めることが可能になります。
あとは車に運搬するという流れで木を搬出するという流れになる様子です。
木を一つ移動するだけでも人間の力のみでは難しく、このような機械を利用する必要があります。
ただロープウインチだけで30万ほどかかるのでこれも一旦検討します。
なかなかない貴重な体験になりました。
これらの経験を活かしてSKYSQUAREの発展につなげていきます。
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